著者 : 435 氏

その6 - >>544
開始:07/04/20
最終:07/04/25
その6 - >>565

【 なび乱 】



天道家。
まだ外は明るい夏の日の夕方、乱馬はあかねと一緒に学校から帰宅した。
あかねは宿題をするからと自室へ向かい、他の家族は皆出払っていたため乱馬は
一人居間でテレビを見ながらくつろいでいた。

「ただいま」

玄関の戸が開くと音と同時になびきの声が聞こえた、その声に乱馬の表情が強ばる。
パタパタと廊下を歩く音がしてなびきが居間へ顔を出した。

「あかねは?」

乱馬の姿を見つけそう声を掛ける。

「んあ?部屋で宿題やってるよ」

乱馬はなびきに背を向けたままそう答える

「ふ〜ん」

なびきは特に興味無さげにそう答えると、おもむろに開け放たれている居間の障子を閉じた。

「!?」

乱馬がなびきの不可解な行動に目を向けると

「いいじゃない。もう夕方なんだから、すぐに暗くなるわよ」

なびきは無表情でそう答えて少し薄暗くなった部屋に明かりをつけた。乱馬はそのことに特に
何も言わずに見ていたテレビへ視線を戻す・・・・・乱馬は無関心を装ってはいるが内心なびきへ対する
恐れがあった。そんななびきによって意図的に仕切られた空間に二人きりでいるということに
乱馬は嫌な予感がせずにはいられなかった。第一いつもなら学校から帰ればすぐに自室へ入り制服から
普段のラフな格好へ着替えるはずなのだ・・・



すると、なびきは乱馬がテレビを見ている横で、持っていたカバンを横に下ろすとおもむろに
着ている制服を脱ぎ始めた。

「な、何やってんだてめぇ!」

「何よ。わかってるクセに」

それに気付いた乱馬が取り乱すが、なびきはお構い無しに下着の上に羽織っている薄手の白い
ブラウスに手を掛けながらしれっと答えた。

「・・・お前、まさかこんなところで・・・」

乱馬は懸念していた通りのなびきの行動に激しく狼狽した。

「何考えてんだテメェ!!」

「じゃあ私の部屋でする?」

真っ赤な顔でたじろぐ乱馬になびきはケロリとした顔で答える。

「いいのよ。私たちの声あかねに聞かせてあげても・・・」

「そ、そういう問題じゃねぇ!」

踵を後ろへ上げてクツ下を抜き取ると、なびきはついに下着のみの姿になった。

「・・・お、お前・・何て格好っ・・・」

乱馬はなびきの着けている下着のイヤラシさに顔を赤くさせゴクリと生唾を呑んだ。

「うふ・・・どうコレ?だって、私のハダカなんてもう見慣れちゃってるからあんまり興奮してくれないでしょ」

なびきは希望通りの乱馬のリアクションに少し照れながらも勝ち誇ったように笑みを浮かべじりじり
乱馬へと近付いていく。



「や、やめろなびき・・・」

乱馬は意に反し大きくなってしまったモノのため立ち上がれず、後ろ手をついて後退った。

「大人しくしなさい・・・でないと大声出すわよ」

なびきは乱馬の前まで来ると睨みながら窘めるように言った。

「き、汚えぞ!てめぇ・・・」

「何言ったって無駄よ・・・ココこんなにカタくしといて」

なびきは膝をついて四つん這いになると、乱馬の勃起した股間に手を伸ばした。

「うっ・・・・」

ズボンの上からペニスを握られ乱馬は思わずうめき声を漏らす。

「・・・頼む、やめてくれなびき・・」

「何言ってんのよ、今さら・・・」

なびきは乱馬の声には耳を貸さず腰紐を解くとズボンに手を掛ける。

「乱馬君、ちょっと腰上げて、脱がせないじゃない」

「・・・・・」

乱馬は無言のまま動こうとしない

「・・・あ、そう。じゃあいいんだ全部しゃべっても・・・」

なびきがそう言うと乱馬はだったまま少し腰を浮かせた。

「ふふ。素直でよろしい。」



一体どうしてこんな事になったのか・・・
それは二ヶ月ほど前、乱馬が自室でオナニーをしていたのをなびきに見られてしまった事が始まり
だった。

その時、乱馬は恥ずかしさで取り乱し、なびきも驚いて顔を赤くした。
そしてなびきはすぐに立ち去って欲しいという乱馬の期待に反し、何故か部屋に入り襖を閉めた。
パニック状態の乱馬はなびきの行動が理解出来ず戸惑っていると、なびきはさらに乱馬に近付いて来た。

なびきのことだ、きっとこの事をネタにとんでもない要求でもフッカケられるのではないか乱馬はその怖さと
恥ずかしさにドキドキしていた、しかしなびきは乱馬の側まで来ると伏し目がちにに落ち着かない視線を
泳がせながらもじもじとしていた。

思いがけないなびきの態度に乱馬が戸惑っていると、なびきは照れくさそうにしながらとんでもない事を
口走ったのである。

「・・・邪魔しちゃったお詫びに、私がしてあげようか」

乱馬の思考は更にパニックに陥る

「な、なな、何言ってんだ・・なびき・・・」

しかし、いつになくしおらしいなびきの艶っぽさとその言葉に乱馬の鼓動は確実に高鳴っていた。



「何よ、いらないの、珍しくひとが好意で言ってあげてるのに・・」

「だ、だって・・・するって・・・お前・・・その・・・」

なびきが拗ねる様に言うと、乱馬はしどろもどろになって言いつくろった。

「ばかね。するって別にHするってことじゃ無いわよ・・・タダちょっと手伝ってあげよっかなって
思っただけよ」

「・・・・・・・・」

「嫌なら別にイイけど・・・乱馬君があかねの写真見ながら一人でHな事してたって・・本人に
いっちゃおっかなぁ・・」

「・・・・・・・・」

この時、断るべきだったのだ・・・。
なびきは相手に金を出させる為にこの様なことを言うが、もし相手が応じなかった場合でも大概は
自分にメリットの無い様な事は態々しない。なびきが告げ口をしたとしても、少しの間あかねとの仲が
気まずくなる程度だったはずだ。しかし、この時にはそんな考えなど乱馬の頭の中には全く無かった。
ただ、なびきの誘惑に乗るか乗らないかという事だけが乱馬の頭の中をまわっていた。



乱馬とて健全な高校生、Hな事に興味が無い訳では無い。なまじ自分の異常な体質ゆえ女性の身体に
ついては知り過ぎている程知っているが、Hな行為に対する関心は人並みに持っている。まして乱馬の年頃
ともなれば過剰なほど興味が大きい。

あかねとは許婚とは言えそんな事とはまだ程遠い関係であり、それ故行き場の無いムラムラとした
気持ちを発散させようとオナニーをしていたのだ。そんな最中の思いも寄らなかった美人で年上の女性
からの甘い誘惑・・・乗ってはいけない。頭では判っていたのだ。

しかし、欲情は乱馬の心をかりたてる。そこへ、その行為には特に深い意味を為さないタダの興味本位
だと取れるなびきの発言に劣情が乱馬の意思を揺るがせる。そして、なびきが冗談めかして言った
脅迫の言葉を免罪符に邪心が湧き上がる欲情を正当化する

「どうする乱馬君・・・して欲しい?」

乱馬はなびきの誘惑に乗ってしまった・・・・・なびきの思惑などには思いもおよばずに



そして乱馬はやはりその日の事を激しく後悔する事になった・・・
それから数日間。乱馬はなびきのことだからきっとあの日の事をネタに写真を取らせろだの金をよこせ
だのと何か要求してくるに違いないと覚悟していた。だが、なびきは何も言い出して来なかった。それから
何日か経ち乱馬が安心しかけていたある日、たまたま乱馬となびき以外の家族が全員家からいなくなると
なびきは機を図ったように乱馬を部屋へ呼びだした。乱馬はビクビクしながらなびきの部屋へと向かうと、
そこで持ち出されたなびきの要求に乱馬は耳を疑った。
・・・・・なびきは乱馬に更なる体の関係を要求して来たのだ。

乱馬は困惑しながらもその要求をはねのけようとしたが、なびきがちゃっかりと隠し撮りしていたあの日の
様子が収められたビデオテープを見せられると茫然として、なびきの為すがままにするしかなかった・・・

そして、その日以来なびきに呼び出される度に断る術なく関係を持つ様になってしまった。ただその性交は
いつもなびきによる一方的なものだったが、頭では拒みつつも素直に反応してしまう自分の身体が恨めし
かった。

乱馬ははじめのうちはただ、自分の体をオモチャにされ弄ばれているのだと、なびきに対し怒りや悔しさを
持っていたが、関係を重ねる内にその感情は自分自身へ対する怒りや悔恨の念へと変わって行き、次第に
なびきを邪険には出来なくなっていった・・・

その原因の一つは、乱馬自身はなびきに打ち明けられるまでは知らなかったのだが、自分がなびきの
バージンを奪ってしまったという事だ。それは初めてなびきと体の繋がりを持ったとき乱馬は初めての経験
だった上なびきによって目隠しをされていたのだった。そして何より、なびきがバージンだとは思っていな
かったからだ。それはなびきが遊んでいると思っていたからでは無くそんな経験も無い女性がこんな風に
自分を誘惑して来るなどとは思わなかったからだが。

そして何よりも乱馬にとって信じられない事だったが・・・知ってしまったのだ。なびきが心に隠していた
あかねに対する嫉妬心そして自分へ対する偽りのない恋慕を・・・・・乱馬は絶対に触れてはいけないもの
に触れてしまったのだった・・・。



・・・ハム・・・ジュパ・・・ジュポ・・・。

ヤラシイ音を立てながらなびきは乱馬のペニスを舐めしゃぶる。

「うっ・・う・・・」

真剣な表情でペニスを咥えると唇と舌で全体をねぶり、たっぷりと自分の唾液をまぶすと
舌の先で鈴口を刺激しつつ細くしなやかな指と唇で竿の部分を優しく扱く。

「く・・・そ・・・」

乱馬は何とか気を鎮めて自分自身を萎えさせようとしていたが、なびきから与えられる快感には抗いようが
無かった。

「凄い・・・乱馬君のものすごい硬くなってる・・・ねぇ、気持ちいい?乱馬くん?」


なびきも乱馬のペニスをしゃぶってだんだん興奮してきたのか普段見せることの無い蕩けた表情で言う。

それに対し乱馬が何も答えずにいると

「あかねはこんな事してくれないもんね、キスもしたこと無いんでしょ。馬鹿じゃないのあんた達・・・」

いつもの表情に戻りさめた口調そう言う。

「・・・・・」

「よし、そろそろいいわね」

そう言って上体を起こし膝立ちになるとなびきは腰で結んであるパンティーの紐を解いた。



「・・だ、駄目だっ!なびき・・・。」

「まだそんな事言ってんの。ヤメル訳ないでしょ三日間もガマンしてたんだからっ・・・昨夜だって乱馬君の
写真見ながら一人でしたのよ、五回もイっちゃった?」

なびきは乱馬の制止などはおかまいなしに乱馬の腰に跨ると首に両手をまわし甘えた表情で乱馬の顔を
見つめる。

「なびき、ゴメン!・・・ヤメテくれ・・・俺は・・・」

乱馬はなびきの肩を掴みグッと押し返すと真剣な表情で見つめ返した。

「・・・ばらすわよ」

「なびき・・・」

乱馬はそれを言われると何も出来なくなる。



(わかってるわよ、あんたがあかねのことしか思ってないことくらい・・・だからこんな事してるんじゃない)

なびきは心の中で不機嫌に呟く。乱馬の辛そうな表情を見ると悔しくて堪らなかったが、そんな感情は
表には出さず余裕なふりをして更に乱馬を責めつける 。

「いいのよ私は・・・・あかねに知られようがどうなろうが。乱馬君とシテるトコロだってちゃんとビデオに
録ってあるんだから」

「・・・・・わかったよ。・・・・・じゃあ、せめてコレ着けさせてくれよ」

乱馬はどうすることも出来ず観念すると、ポケットから四角い小さな袋を取り出す

「まぁ、私のために用意しておいてくれたの?」

なびきはソレを乱馬の手から取って見つめながら嬉しそうな声を上げた。

「・・・・・」

「・・なんて言うと思った?」

なびきが急に冷めた口調で責めるように言うと、乱馬はバツが悪そうに俯いた。

「勘違いしないでよね。何のために私がこんな事してると思ってんの・・・・」

「・・・・・」

「私と付き合ってくれるっていうなら、もちろん着けさせてあげるけど。・・・・・私をあかねみたいな単純な
馬鹿と一緒にしないでくれる」

そう言ってなびきはその四角い袋を投げ捨てた。



「なびき・・・」

「挿れるわよ乱馬君・・・」

なびきは腰を浮かすと、膣口に乱馬のペニスの先端を合わせゆっくりと腰を下ろした。

「・・・くっ」

なびきは乱馬のペニスを根元までズッポリと飲み込むと、少し苦しそうな吐息を漏らした。そして膣全体で
ペニスを扱くようにゆっくりと腰を上下に動かした。

「・・・・・やっぱり凄い・・・・・乱馬君のオチンチン」

乱馬のペニスをえもいえぬ言えぬ快感が襲う。しかし乱馬はそれを感じまいと苦悶の表情を浮かべていた。

「どうしたの乱馬君、気持ちいいんでしょ、もっと嬉しそうな表情しなさいよ・・・」

乱馬のそんな表情を見ると、なびきは張り合う様に腰の動きを激しくした。

乱馬のペニスが出たり入ったりするたび、なびきの濡れそぼった膣内がズチョズチョとイヤラシイ音を立てる。

「ほら・・・凄い音してるでしょ・・・乱馬君のせいで・・いっぱい濡れてるの・・・」

なびきは乱馬の首に縋り付くと苦しそうに吐息を漏らしながら言う。

「っ・・・・・俺は・・・」

それでも乱馬は更に表情をゆがめながら頑なに快感に堪えようとしていた。



「・・・そんなにあかねが好きなの・・・どうして私じゃ駄目なのよ・・・」

なびきは悲しさをぶつける様に更に腰の動きを激しくする。

「ん・・うぅっ・・・」

なびき自身も苦しいため、くぐもった吐息をもらしながらも膣の奥で乱馬のペニスを叩きつける様に激しく
腰を振る。

「くっ・・ううっ・・あ・・かね・・」

なびきの激しい責めに必死に耐えようとする乱馬の口からおもわずうめき声に混じり出た「あかね」という声、
その言葉になびきの闘争心が奮い立った。

(フン!いくらガマンしたって無駄よ・・・アンタのイカせ方くらいとっくに知ってるんだから!)

悔しそうな表情をしながらも勝ち気に頭の中で呟くと、根元まで膣に入れたペニスを膣の奥に擦りつけながら
腰を円を描くようにスライドさせる。

「うぅっ・・・」

「・・ねぇ・・目ぇ開けて乱馬君・・・私・・・乱馬君のためなら何でもするから・・・」

「・・・・・」

なびきは激しい快感に顔をゆがめる乱馬の頬に両手でそっと触れると切なそうに吐息を漏らしながら縋る様
に言う。

「いつでもしたい時にしていいから・・家でも学校でもしたい時にさせてあげる・・・だから・・・」

「・・・・・」

しかし乱馬は何も答えてはくれない。なびきはやり切れない想いに俯くと破れかぶれに腰を動かし始めた。



「・・・好きなの・・大好きなの・・乱馬君!・・・見て・・私のこと見てよ!」

「・・・なびき・・・」

なびきの瞳から涙がこぼれ、その涙に乱馬の胸がギュッと絞めつけられる。なびきにもそろそろ限界が
近付いていたが、それでも乱馬は耐え続ける。

(・・・どうしてそんなに我慢するのよ・・・そんなにあかねのことが・・・だったら)

なびきは心の中で開き直る様に呟いてキッと涙を払うと、乱馬の首に腕をまわしてしがみ付き耳元に口を
つけると切なげな声で囁いた。

「・・乱・・馬ぁ・・・」

「!!」

その声に乱馬の体がドキッと反応する。なびきはあかねの声色を真似て囁いたのである・・・
その声は姉妹だけあって少ししゃべり方を変えただけであかねにそっくりだった。

「・・乱馬ぁ・・キモチいいよぉ・・」

なびきは繰り返しあかねの声で囁く。

「ヤ、ヤメロ!なびきっ!」

乱馬はなびきの言葉責めに反応して下半身に込みあげて来る感覚に焦った。



「フフ・・・」

なびきは乱馬の反応に笑いを浮かべると尚もあかねの声色で吐息混じりに嬌声を上げながら
止めと言わんばかりに腰を激しく振りたくる。

「うぅ・・ヤメロっなびき・・・やめてくれっ」

「・・・いいんだよ・・・乱馬・・・我慢しないで」

結合部がぶつかり合い水が弾ける様なイヤラシイ音とあかねの喘ぎ声が乱馬の耳に響き、
激しく上下するなびきの体から振り落ちる汗の雫が赤いチャイナ服に染み込んでいく。

「くっ・・・駄目だ・・・・もうっ!!」

「・・乱馬・・イって・・私の中にいっぱいだしてぇ!!」

「ううっ!あああっ!!!!!」

乱馬の激しい呻きと共になびきの体に熱い滾りが流れ込んだ。
ドクン、ドクンと乱馬のペニスが脈打つ度に熱い精子がなびきの体内へ流れ込む。
乱馬は遂になびきの中で力尽きてしまった・・・己の情けなさに忸怩すると乱馬は腕で顔を伏せて
後ろへ倒れた。



「・・ハァ・・ハァ・・・凄い・・いっぱい出てる・・乱馬君の精子・・・」

なびきは乱馬に跨ったまま自分のおなかに手を当てて言った。
そして自分の下で荒い息をしている乱馬を見下ろしてフッと微笑むと嘲るように言う。

「フフフ・・・最低ね、乱馬君。本当はあかねとHしたいだけなんじゃないの・・・」

「・・・・・」

何も反応せず倒れている乱馬に胸を押し付けるようにぴったりと重なると。

「もっと抱いて。ねぇ乱馬?・・・・・」

またあかねの声を真似、からかうように甘えた声で言う。

「キャっ!」

乱馬は突然上半身を起き上がらせ、なびきを突き飛ばした。

「・・・・ヤメロ・・・」

乱馬は俯いたまま低い声で呟く。



その時、二階からドアを閉める音が二人の耳に微かに聞こえた。



「ふん。何よっ!・・・どんなにあかねが好きか知らないけど、私が妊娠したらちゃんと責任取ってもらうわよ」

なびきは乱馬を睨みながら、そう言い捨て立ち上がると制服のブラウスとワンピースだけを
サッと身に纏う。ボーっとしていた乱馬もティッシュを取って汚れた下半身を拭うと、乱れた
服装を元に戻す。

「・・それがいやなら、今度からはもっと積極的に動いて私を先に満足させるのね・・・ま、乱馬君には無理だと
思うけど」

「・・・・・」

「何なら、あかね押し倒して練習でもしたら・・・て言っても、もう妊娠してるかも知れないけど」

なびきはからかう様にそんなことを言いながら、自分で脱いだ下着などを拾ってポケットに入れる。

「・・・すごい垂れて来る乱馬君の・・・シャワー浴びて来よっと」

なびきは独り言の様に呟くと

「またね。乱馬君?」

俯いている乱馬に微笑んで障子を開け廊下へ出た。すると、そこへちょうど二階から降りてあかねが
やって来る。

「あら、あかね。宿題終わったの」

「お姉ちゃん。うん・・・どうしたの?すごい汗かいてるよ」

なびきが声を掛けると、あかねはいつもと少し様子の違うなびきに心配そうな顔をする。

「ちょっと乱馬君と遊んでたのよ」

なびきの言葉に乱馬はドキッとした。障子の向こうであかねと話すなびきの平然とした態度に乱馬は
気が気では無かった。



「そう」

「あ、そうだ・・・あかねにイイものあげる」

あかねが不思議そうな顔で応えると、なびきはそう言ってスカートのポケットをまさぐった。

「ハイ、これ」

「何?」

あかねは手のひらに渡された物を見ると、とたんに顔が赤くなる
それはなびきが先ほど下着を拾っている時に見つけてポケットに入れた乱馬の持っていた
四角い小さな袋だった。

「!!!ちょっと、おねーちゃん!!!」

「冗談よ、冗談」

あかねは真っ赤な顔で笑いながら風呂場の方へ去って行くなびきの背中に怒鳴った。

「まったく」

溜息をついて、もう一度手のひらの中の物を見るとつい変なことを想像してしまいそうになり
恥ずかしくなってポケットへ押し込んだ。居間へ入り乱馬の方へ視線を向けると、乱馬は逸らす様に
体の向きをずらした。

「?」

その仕草を怪訝に感じたが特に気にもせず、変な意識を掃う様にコホンと咳をついて乱馬の隣に座る。


「お姉ちゃんと何して遊んでたの?」

「・・・別に、遊んでなんかねぇよ・・・」

何を疑うでもなくあかねが素直に尋ねると、乱馬は不機嫌そうにボソッと答えた。

「・・・そう」

落ち込んでいる様な乱馬の様子に深くは追求せず

「乱馬も宿題やりなさいよ、私の写させてって言ったって写させてあげないんだからね」

少し心配に思い、元気付けようとわざといつもの調子でいじわるする様に言う。しかし乱馬はあかねの方を
向こうともせず俯いて黙っていた。

「・・・乱馬?」

あかねが不安になり擦り寄って顔を覗き込むと

「・・・ごめん・・・」

乱馬は俯いたままボソリと言った

「え、どうしたのよ乱馬・・・」

乱馬はとなりで自分を心配してくれているあかねの顔を見ることすら出来ずどうしてよいか分からない
自責の念に一人苦悩するのだった。







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