著者 : 名無しさん@ピンキー ID:tR756MBY 氏
その5 ー >>664
開始:06/11/25
最終:06/12/02
その5 − >>714
【 無 題
】
<九能帯刀>
早乙女乱馬と天道あかねが結婚した。
ぼくはもう天道あかねのことは潔く諦めて、おさげの女一人を愛することに決めた。
しかしかれらが新婚旅行に行くのと同時におさげの女が姿を消した。
かれらが帰ってきてからもおさげの女の姿を見ることはなかった。
ぼくは何日も必死で捜し回った。
しかしおさげの女の消息はつかめなかった。
それにしてもよくあんなにもおさげの女の写真を買ったものだ。
5枚一組3000円か…
…そうだ、あの女なら何か知っているかもしれない。
いや、絶対に知っているはずだ。
なぜもっと早く気付かなかったのだ。
<天道なびき>
乱馬くんが完全な男になって帰ってきた。
「おさげの女」はこの世から消えた。
きっと九能ちゃんは私に彼女のことを尋ねるわね。
でも本当のことを話したりしたら――今まで自分が追いかけていたのが
乱馬くんだったなんて知ったりしたら相当落ち込むわ。
でもその前に、納得するかしら。
あの九能ちゃんのことだからいくら口で説明しても信じなそう。
実際に呪泉郷まで行ってみない限りは。
…それもいい考えね。
タダで中国旅行に行けるわ。
あかねたちの新婚旅行と同じ行き先というのもなんだけど。
まあ私は結婚なんて全然考えてないし、関係ないわね。
九能ちゃんには気の毒かもしれないけど、そろそろ目を覚めさせてあげないと。
<九能帯刀>
天道なびきを喫茶店に呼び出し、おさげの女の行方を聞いてみた。
しかし、なかなか口を割らない。
だが、この女が何も知らないはずはないのだ。
3つ目のケーキと4杯目のコーヒーが運ばれてきたところでようやく話し始めた。
―おさげの女はもうこの世にはいない
おさげの女が死んだ?冗談だろう?
そう思いたくて、本当のことを話してくれとぼくは言う。
すると今度は、中国には溺れたものの姿になってしまう呪いの泉がある
などとおかしなことを言い出した。
やはり天道なびきはぼくをからかっていたのだ。
そんな冗談がこのぼくに通用するとでも思っているのか。
…しかしこの女、妙に自信があるようだ。
嘘だとは思うが、中国に行ってこの目で確かめるのだ。
もし本当ならば諦めもつく。
冗談で言ったのならおさげの女の居場所を無理矢理にでも吐かせるのだ。
おさげの女に会うことができるのならケーキも中国も安いものだ。
<天道なびき>
思ったとおり、「おさげの女」のことで九能ちゃんに呼び出された。
でも、すぐには言わない。
少し話をそらして時間をかせぐことにしたの。
せっかくおごってくれるっていうんだからね。
3つ目のケーキが来たところでそろそろいいかなと思って本題に移ったわ。
あの子はもういないと言ったら九能ちゃんは一瞬固まって、
信じたくないといった様子で、本当のことを話してくれなんて言うのよ。
だから呪泉郷の話をしてあげたの。
さすがにそれが乱馬くんだとは言わないでおいたけど。
でも案の定、私が冗談で言っていると思ったみたい。
それなら中国まで行って確かめたらとすすめてみたらすんなりとのってきたわ。
私も証人として立ち会うためについて行くの。
もちろん九能ちゃんのおごりでね。
事実を知った九能ちゃんの反応が楽しみだわ。
<早乙女乱馬>
なびきのやつ、九能と二人で呪泉郷に行くなんて言ってたけど、一体どういうつもりだ?
本当のことを知らないほうがかえって幸せかもしれねえし。
おれだって男溺泉に入るときには躊躇したぜ。
なんだかんだ言って女のときにも色々と思い出もあったしな。
女のおれがいなくなったらみんなどうするのかなんてことも考えたよ。
特に九能がな。
死んだことでもにしようか、今までのは全部夢だったってことにしようか…
でもなんでなびきは本当のことを教えようとするんだ?
九能がおれのことを思い続けたってなびきにゃ関係ないだろうに。
<天道あかね>
どうしてなびきお姉ちゃんが九能先輩に本当のことを教えようとするのか
乱馬が不思議がってたけど、確かになびきお姉ちゃんが
誰かのために何かするなんてめったにないことなのよね。
なびきお姉ちゃん、もしかして九能先輩のこと好きだったりして。
乱馬に言ってみたらあっさり否定されたけど。
でも結構お似合いなのよねぇ、あの二人。
もし二人が結婚したら…小太刀や校長とも親戚になっちゃうじゃない。
そうなると大変だわ。
といってもまあ、みんな一緒に住むわけじゃないか。
九能先輩はなびきお姉ちゃんのこと、どう思ってるのかな。
ただのクラスメイトなんかじゃないわよね。