著者 : 名無しさん@ピンキー ID:so5lyr6c 氏
その5 ー >>473
開始:06/11/08
最終:06/11/08
その5 − >>482
【 良牙×良い子
】
「なあ良い子、やっぱりこのカーペットの色、少し派手過ぎないか?女の子の目線から見てどうだ?」
「ん〜?良い子わかんなぁい」
響家のリビングでそわそわとウロつき、ソファに座る人物に尋ねるはその家人、良牙。
上の空で頬杖をつき、足を組むはその妹の良い子。の扮装のらんま。
良牙の想い人のあかねが家に遊びに来るやも知れないという状況。
落ち着きが無く時計を見たり、窓から顔を出したりする行動の理由はそれだった。
話を遡る事、昨日…
久しぶりに帰宅出来た良牙は、生き急いでチャンスとばかりに(?)あかねに自宅へ招待の電話を入れた。
社交辞令的に遊びに行くとあかねは返したのだが、それを乱馬がこっそり聞いていて、心配になった乱馬は良い子として響家に待機中。
という訳なのだ。
朝から掃除をしたり、模様替えをしたりと忙しくコキ使われ、疲れて不機嫌そうな良い子。
「ねーあかねちゃんほんとうに来るの〜?」
ふてくされた顔で聞いている。
「来るに決まってるじゃないか!行きますって快く返事してくれたんだ。もうそこまで来ていて、今にもあの角からあかねさんは現れるに違いない」
「おにいちゃんさっきからずっとそれ〜」
「待つんだ良い子っ!にいちゃんを信じろ!」
あれから小一時間経過したが状況は変わらず。良牙はまだ窓の外を眺めている。
あかねも来ねーなら来ねーって連絡すりゃあいいのに…
意外に殺生なヤツだな、と良い子は溜息を漏らす。
待ちくたびれた鬱憤晴らしと暇潰しに、この良牙をひとつ困らせてやろうと思いついた。
良い子の駄々っこ作戦その1―
「おにいちゃん、あかねちゃんの事ばっかり考えててつまんないぃ」
「えっ…」
「もっと良い子と遊んでくれなきゃやだ〜!」
いきなりソファの上でじたばたしてみせる。
良牙はソファに近付いてきて、良い子の前にしゃがみ込むとそっと膝の上に手を置いた。
「ああ…すまん、良い子。そうだな、お前もずっと一人で留守番していて寂しかったんだもんな。明日からにいちゃんといっぱい遊ぼうな」
「やだやだ!今日これからいっぱい遊ぶのっ!」
「今日はあかねさんが来るから…」
「やだ〜っ!おにいちゃんのばかばかばかばかっ!!」
良牙の胸の中に飛び込んで力任せに叩きまくる。
「ぐはっ!たぁっ!…う…っ…よ…良い子…っ、にいちゃんが悪かった…!」
ぎゅうと抱き締め返されて潰される。
「ぐえぇえ!」
失敗。
良い子の駄々っこ作戦その2―
「おにいちゃん…私とあかねちゃん、どっちがだいじなのっ?」
「えええっ?!」
「もしおにいちゃんがあかねちゃんって言ったら…良い子かなしくてしんじゃうぅ…っ」
良牙を見上げると、その眼は見開かれ口元が震えている。次第に涙が溢れてきた。
「…ば…馬鹿野郎っ!…死ぬなんて…っ死ぬなんて言うなよぉおっ!良い子ぉぉお!!」
「ぐえぇええ〜!!!」
失敗。
良い子の駄々っこ作戦その3―
「わ、私…おにいちゃんのためだったら何だってしちゃうんだから」
「…へっ…」
「この意味、わかるわよね…?」
「よ、良い子…どういう…」
「おにいちゃんを一番好きなのは私よっ!おにいちゃんは絶対に渡さないっ!」
「ええっ?!」
「おにいちゃん、私を捕まえてごらんなさい!」
良い子は良牙の手から離れて、ヒラヒラ舞いながら裏口へと良牙を導き出した。
外へ引っ張り出して迷子にさせるつもりだ。
「良い子っ!何処へ行くんだ?!」
「おにいちゃんと私だけの、禁断の花園よっ!さあこちらへいらっしゃい、おほほほほほ!」
良い子の足にくいっとロープがかかる。
「ああっ良い子、それは空き巣対策の罠…」
どかどかどかどかっ!!
良い子は気づくとソファに寝かされ頭をタオルで冷やされている。
「う〜ん…」
「無闇に家をうろつき回っちゃダメだ。暫く帰らない内に、どうやら罠が増やされているみたいなんだ」
「(なんつー家だよ…)」
とその時。
―プルルルル…
「電話だよ…おにいちゃん」
「はっ、もしやあかねさんか?!」
「早く出なきゃ」
良牙はつんのめりながら電話まで走る。
「はいもしもしっ!!」
『もしもし〜、そちらに響迷子さんっていらっしゃいますか?』
「いっ…いませんっっ!」
電話を切る良牙。
―ピンポーン…
チャイムが鳴った。
「来たかっ!!」
玄関へダッシュする。
「あかねさっっ…」
「はい、ありがとー。じゃーね〜ん」
「良い子、今のは…」
「ラーメンの出前頼んじゃった。いただきま〜すっ」
笑顔でラーメンをすする良い子を唖然と見つめる。
―プルルルル…
また電話だ。
良牙はまたダッシュで受話器を取った。良い子も追いかけて一緒になって受話器に耳をつける。
「もしもし!?」
『あ、もしもし良牙君??』
あかねの声だ。
「あっあかねさんっ!!」
『連絡遅くなってごめんなさい。あのね、実は今日…乱馬と一緒に行こうと思ってたんだけど、朝からずっといないのよ、アイツ。
約束してた稽古もすっぽかすし…。手伝ってもらわなきゃいけない事もあるからこれから探しに行こうと思ってるの。
だから悪いんだけど…今回はごめんなさい。また次誘ってくれたら必ず伺うわ。じゃあ…」
プー…プー…プー…
「………。」
ずしゃっと膝から崩れ落ちる良牙。
背中に乗っていた良い子も同じ様に床に座る。
「おにい…ちゃん…」
腑抜けになってぴくりともしない後姿に少し同情してしまう。
「お、おにいちゃん…?」
「………」
「…大丈夫っ。私がいるじゃないっ」
「………」
「言ったでしょ、良い子はおにいちゃんのこと大好きなんだから…」
「ずっと一緒だよ?ねっ、だから元気だしてっ」
良い子は背中にぴとっと体をくっつけて甘えた声で慰めてみた。
「良い子…」
「…なぁに」
「お前は本当に優しい子だな。良い子…。にいちゃんの側から離れないでくれ…」
「…うん」
「にいちゃんと、ずっと一緒だぞ」
カチャリ。手錠をかけられてから我に返る。
「な…なんて事しやがるっっ!!」
「にいちゃんの為なら何だってするって言ってくれたじゃないか」
「てめ〜というやつは…っ…イカれてんじゃねえのか?!」
「さあ良い子!今日からにいちゃんと一心同体だぞっ!」
「ぎえぇぇえ!!」
手錠をはめた良牙と良い子、ふたりきりの共同生活が始まった。
食事―
「いてーっ!てめーいきなり引っ張んじゃねー!」
「いや、にいちゃん味噌汁が飲みたくて…」
洗濯―
「あれ、洗剤は何処だ?あ、あったこれか。コンセントはこれか」
くいっ
「おにいちゃんそれはっ…」
どかどかどかどかっ
トイレ―
「絶っっ対見るんじゃないわよおにいちゃん?!」
「片手で大丈夫か?やり辛いならにいちゃんが手伝ってやるぞ?」
「いーっつの!!」
風呂―
「一緒に入るしかないな…」
「じ、冗談じゃねーわよっ!!」
「しょうがない。よし、にいちゃんバンダナを目隠しにして入ってやる。それならいいな?」
「ひぃぃいっ…!」
そんなこんなで五日が経過。
悪戦苦闘の末、ふたりは仲良く(?)響家で兄妹水入らずの暮らしに投じ、その夜を迎えていた。
天道家には一応、『修行の旅に出た』と連絡はしておいたのだが、良い子はいい加減良牙に振り回される軟禁生活に疲れていた。
毎日肌身離れず過ごし、ひとつのベッドで眠る。
最初の二日は床を共にするのを拒んで良牙をベッドから無理矢理突き落として寝ていたのだが、
今では抱き枕にされる始末。(ただし背中から)
良牙の異常に高い体温は良い暖代わりになった。
しかし一番困った事がただひとつ。
青少年の自然の摂理の営み。これだけが行えなかった。
さすがに妹といえども、良牙は『にいちゃん今から一人でするからな』なんて言えないし、良い子の方も当然コソコソと隠れてもしようがなかった。
青少年は毎日、気が向けば何回でも行いたいのだ。
ことあるごとに欲求は積み重なり、日に日にムラムラと溜まってゆき、こいつをいつ発散させようか…お互い困り果てていた。
ソファに座ってテレビを見ているひととき。
良い子はあーあと言いたげな眼で頬杖をつき、気だるそうにあくびをしている。
良牙はふと時計を見て
「良い子、そろそろ風呂に入るか」
と言った。
「………ん」
元気なさげに返事する良い子。
「にいちゃん、今日は目隠し取って入ってもいいよな?」
「はあぁあ?」
肘掛けに頬杖ついていた良い子は聞き返す。
「言い出せなかったが、やっぱり手探りは難しいんだ。お前の身体にもあちこち触ってしまうし…」
「……」
「…いいよな?まだ恥ずかしいか?」
「……いーけど」
「よしっ。じゃあ入るかっ」
――…
風呂場にて。
(良牙が目隠ししないとなると、万が一湯をかぶっちまった時、オレはその場で死ぬ運命だからな…。
仕方ない、今日も水風呂だな…)
両者は腰にタオルを巻いて向かい合って入浴している。
良い子は水を洗面器に溜め、そのままそろそろ肩にかけた。しばれる冷たさに動悸がした。
「いひぃいいっ……つ、め、た、い…」
「お前はこんな寒いのに水風呂なんて…湯に何か抵抗でもあるのか?」
良牙が不思議そうに聞いてくる。
「ほほほほ…敏感、肌なの…おゆ、だめなのー…」
「お前…!こんなに震えてるじゃないかっ!」
「……!」
がっしり腕を掴まれた手の暖かさに良い子はふうっと気が抜けて、良牙のその湯を浴びてほこほこ湯気をたたせている身体に無意識に抱き付いた。
「なっ…良い子っ!?」
体温を感じて極楽顔の良い子。
(あったけえ…)と言いたげた。
「良い子…待ってくれ、そんな事をしたらにいちゃんは…」
良い子はハッとして良牙から身を離す。
その股間に視線をやるとしっかりと勃起していた。
「……」
かぽ〜ん…
赤面しながら俯くふたりの光景は続き…
「ほほほ、じゃあもうさっさと洗ってあがっちゃいましょ〜…」
良い子は気まずそうにボディソープのポンプを押し、泡立てた。
「そ、そうだな」
良牙も詰まりながら同意する。
「……」
無言で体を洗う息の詰まる時間。
向き合っていながらその様子をお互い見ないようにはしているが、良牙の鼻息だけ何となく荒いように感じる。
良い子の胸に張り付く二本のおさげ髪。ふくよかなバスト。
手錠で繋がってるせいで動作に制限が出来て、身動きがとれずぴた、と時が止まる瞬間がある。
(背中…洗いたいんだけどな…)
良い子がどう洗うか画策していると。
「良い子」
「ハイっ?!」
良い子はびくっとして肩を揺らす。
「に、にいちゃんが、体を洗ってやる」
「なっ…バカ、何言って」
「お前の体、洗ってやりたいんだ」
ヤバイ。この状況でこのセリフは危険のかほりがする。
「お、…おにいちゃんヘンタイじゃないのっ?!良い子妹だよっ?やめてよやめてよっ…!」
壁に背中をつけてタオルで胸を隠す良い子。さすがに妹には手を出さないだろうと思っていたのに、まさか。
「そうだ…俺のたったひとりの妹だ」
タオルをはがされ、泡立った胸を鷲掴みにされた。
「ぎゃあっ!!…っ…!」
良い子のふたつの胸が揉みしだかれている。泡のせいでやけにぬるぬると滑りがよい。その動きは実になまめかしかった。
「や、やめ…、…はあっ、はあっ、はあ……」
「よ、良い子…」
禁断症状が出そうな程我慢していた欲望の蓋を突然開かれた良い子の身体は、普段の何倍も刺激に弱くなっていた。
抵抗もしたいが、このまま性欲にも身を委ねたい。
葛藤に苛まれるも、声を押さえる事が出来ない。
「うぅっ…触る…なぁ…」
「本当に敏感なんだな…良い子」
「ううっ…あぁっ!…はぁっはぁ…」
「そんな声出したら、にいちゃんもう…もうっ」
―ガラッガラガラガラ…カンカラララ…
洗面器や椅子やボディソープのボトルが床に転がる音が浴室にこだまする。
「いたぁ…っあぁ!ぁぁ!ぁああっ…」
湯気の中、そこに霞むは立位で交わる男女の影ふたつ。
「あぁっ!ぁ…あっ…」
ガタンガタンと壁に手をつき、態勢を保とうとしている良い子。
「ううっ…あぁっ…」
良い子の首筋に良牙は噛み付くように歯を立て、吸い付く。片足を担いで大股を開かせ腰を揺らす。
「…あぁっ!…そん、な…っ!…も、っと…ゆっく、り…」
足元は滑っておぼつかない。
踏ん張りが利かない床で構わず良牙は良い子を犯していく。担がれた足はプラプラと揺れていた。
その体位は良い子の最奥まで到達し、全てを開放する扉をぐいぐいこじあける。
ずっと我慢して溜め込んでいたふたりの性欲。その到達は予想以上に早かった。
高みへと一気に上り詰めてしまう。
「…っ!…ぁ!あ!…そこい、い……ぁっ!あ、あ、あっ!」
「良い子…っ…良い子っ…」
「も…い、くぅ…っ!ああ、あぁ!」
「…い、一緒に…っ…良い子ぉっ!」
「ああああぁっっ……!――」
「……おにいちゃん…まだコレ外してくんないの?」
ベッドの中で布団を肩までかぶり、向かい抱き合って語らう深夜。
お揃いのバンダナ。お揃いのパジャマ。顔こそ似ていないがその密着度は兄妹以上だ。
良牙は真摯な眼差しで聞き返す。
「外して欲しいか?」
「コレ外してくれたら…おにいちゃんにもっとイイことしてあげる」
「……」
黙って良牙は鍵を取り出し錠を解いた。外した後もその眼差しは変わらない。
「あ、ありがとお…」
良い子はゆっくり起き上がると繋がれていた手首を握りながらベッドから降りようとした。
「何処にも行かないでくれよ、良い子…」
ベッドから上げる腰が止まる。
「………」
見ると良牙は微かに寝息を立てていた。
良い子はしばらく寝顔を眺めてから、かがみ込んでその鼻先にちゅっとキスをした。
「………おにいちゃん…ばいばい」
静かに呟き、そのままひっそりと響家から姿を消したのだった。
おわり